付属的労働、実施への第一歩

カテゴリー:労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2005年12月

付属的労働(lavoro accessorio)の試験措置が始動した。9月30日、ロベルト・マローニ労働社会政策大臣は、2003年9月10日委任立法276号(いわゆるビアジ改革。2004年10月6日委任立法251号により修正)により導入された付属的労働に関する省令に署名した。2003年委任立法276号72条は、付属的労働を利用しようとする者について、許可を受けた販売店においてクーポン回数券を取得するものと定め、また、このクーポン回数券の価格は、労働社会政策省省令で決めるとしている。

今回の省令では、1日の労務給付に対して支給されるクーポンの価値を10ユーロとしている。労働者は、付属的労務給付の受益者から受け取った報酬証書たるクーポンを、代理店に持ち込み換金する。代理店は、クーポンを提示する者に対し、その戸籍データおよび税務番号を記録した上で金銭を支払う。また、INPS(全国社会保障機関)およびINAIL(全国労働災害保険機関)に対する社会保険料の納付に関しても、クーポンの額面のそれぞれ13%および7%をこの代理店が納付することになっている。また、換金手数料として、クーポンの5%を代理店が取る。この結果、労働者が実際に受け取るのは7.5ユーロとなる(非課税)。付属的労働への従事は、この者の失業状態や未就労状態には影響しない。

付属的労働は、純粋に偶発的なものと考えられており、同じ雇い主のもとで年間5000ユーロを超える報酬を発生させないのであれば、複数の雇い主のもとでも遂行しうる。このほか、付属的労働については、労働の対象、労働の遂行主体および地域に関する要件が定められている。

付属的労働の給付は、以下に関わる活動であることが要求される。つまり、臨時的な性質の些少な家内労働(たとえば、子、高齢者、疾病者、障害者等に対する在宅の補助)、家庭教師、庭木の剪定、建造物や記念碑の掃除および維持・管理、社会活動、スポーツ、文化活動、慈善活動に関わる催し物の実施、緊急時(天災、自然事故等)の活動遂行のために地方公共団体やボランティア団体とともに行う活動、家族経営の事業(商業や旅行業、サービス業)である。

付属的労働を遂行しうるのは、1年以上の失業者、主婦、学生、年金受給者、障害者、復帰支援組織にいる者、イタリアにおける正規の滞在資格のあるEU域外外国人労働者で職を失ってから6ヶ月以内の者である。

地域に関して、今回の省令で付属的労働の試験措置が認められたのは、ヴェルバーニア、ミラノ、ヴァレーゼ、トレヴィーゾ、ボルツァーノ、ヴェネツィア、ルッカ、ラティーナ、バーリ、そしてカターニャである。

クーポンの換金業務等を行う代理店の画定について、今回の試験措置では、イタリア労働株式会社が実施する選定に委ねている。代理店が確定するまでは、付属的労働関係は実施されない。

参考

  • Il Sole 24 Ore紙10月4日付

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