登録済み外国人労働者の一部を強制送還

カテゴリー:外国人労働者

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  • 国別労働トピック:2005年1月

タイ国内に現在約200万人居住しているとされる周辺3カ国(ミャンマー、カンボジア、ラオス)の不法労働者強制送還に関して、外国人労働者管理委員会は2004年12月13日、外国人労働者登録の際の健康診断で判明した9383人の妊娠中の労働者を本国に強制送還することを発表した。

登録済み外国人労働者の健康問題

2004年の登録済み外国人労働者数は合計128万4920人で、そのうち69万人がミャンマー、とカンボジア、ラオスの周辺3カ国からの労働者で占められている。このうち健康診断を適切に行ったものは54%で、5399人が結核、3092人が梅毒、375人が寄生虫、273人がマラリア、202人が象皮病、8人がハンセン病であることが明らかになったという。また、ペーナ労働大臣補佐は、外国人雇用登録に訪れた外国人労働者のうち約9000人の妊娠女性を強制送還させる意向であることを発表した。ペーナ氏によると、不法就労者がタイで出産を行った場合、その子供は国籍を持たないため、国籍のない児童を増やさないためにこの措置が必要であると説明している。政府の人権委員会は、タイの国籍を持たない外国人労働者といえども、人権保護の立場から彼らを放置するわけにはいかないとコメントした。チュラロンコン大学アジア研究センターのスパン教授は、この件に関し、現在少なくとも3つの国際法が、妊娠中の労働者の強制送還を禁じていると説明、労働者自身が帰国を望んでいるのかどうかをしっかりと確認することが必要であると述べている。

外国人労働者対策予算が決定

一方、ウライワン労働大臣は12月2日の移動労働者(出稼ぎ労働者)に関する会議において、2005年の移動労働対策費を3億バーツに定め、増加する外国人労働者に対応する意向を示した。予算の内訳としては、3000万バーツが外国人労働者の流入防止対策費に、3800万バーツはすでにタイ国内に滞在する不法就労者対策費に、1080万バーツは強制送還費、2090万バーツは外国人労働者雇用対策費となっている。さらに同大臣は、外国人労働者の雇用登録期間を2005年6月30日まで延長し、まだ登録を済ませていない不法就労者が少しでも多く登録を行えるよう配慮することを明らかにした。

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