呼び出し労働の始動

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  • 国別労働トピック:2005年1月

2004年10月24日労働社会政策省令が11月4日に施行されたことにより、同省令で指定された46の労働につき、呼び出し労働が開始された。

イタリアの労働法制への間歇労働(呼び出し労働)の導入は、労働市場改革法(ビアジ法)の実施に関する2004年9月10日委任立法276号で実現した。これは、一定の部門ないし一定の期間に生じうる労務の増加に対処するという使用者側の必要性に応えたものである。

労働者は、断続的性質をもつ活動を遂行するために労働者の指揮下に置かれ、待機手当を受ける。待機手当は、労働者が待機を約束した期間中に労働者に対して支払われ、呼び出し労働に関する契約は、有期でも締結しうる。

従前は、1987年2月28日法律56号〔労働市場の組織化に関する規定〕が、旅行業およびレストラン・ホテル業に限り、1日を越えない期間の特別なサービスの遂行につき、直接に採用することを認めており、将来的な採用については、翌日(休日を除く)までに職業紹介所に通知しなければならないとしていた。当然のことながら、こうした規定だけでは使用者側の要請に応えることができていなかった。したがって、正規の契約類型の中で使用者側の要求に応える必要性が意識された結果、新たに設けられる契約類型については、断続性や間欠性がポイントとなっていたのである。呼び出し労働制度は、すでにオランダでは広く普及しているが、イタリアにおける影響についても、数年のうちに評価することができるであろう。いくつかの規定は、2003年委任立法276号の施行日である2003年10月24日から18ヶ月間という試験段階に限定されたものであるが、これはまさに、労働市場における情報収集や影響の評価を行うためのものである。

呼び出し労働契約締結を主体の点から限定する仕組み(2005年4月24日までの試験期間に実施される)は、2003年委任立法276号により定められたものであり、25歳未満の失業者、および、45歳を越えて生産サイクルから排除されたか、労働移動リストまたは職業紹介リストに登録された者を対象としている。一方、呼び出し労働の客体に関しては、法は、基本的に、呼び出し労働を利用する必要性の定義を最も代表的な労働協約の定めに委ねている。したがって、前述の2004年10月23日労働社会政策省令はこうした枠組みの例外的なものである。同省令は、呼び出し労働契約の締結が可能な周期的活動という点から、問題の明確化を図っている。そこでは、1923年12月6日勅令2657号にいう46の業種(断続的職業リスト)に言及しているが、これらの業種の多くは、労働を遂行する町の長の命令と住人数によって制限されているため、リストの実際の範囲については疑問が残る。なお、「活動の類型」という文言からすると、これは例示列挙にとどまるものと解される。そのほか、客体の点から呼び出し労働が認められるものとしては、夏の休暇、クリスマスおよび復活祭休暇の期間ならびに週末における労務給付があるが、期間を区切る確固とした日付がないのが問題である。

待機手当は、労働者が呼び出しに対する待機を保証した期間についてのみ支給される。2004年3月10日労働社会政策省令では、適用される産業別全国労働協約が定める報酬の20%と定められている。

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