ハルツ第Ⅳ法施行で失業数増加?

カテゴリー:雇用・失業問題

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  • 国別労働トピック:2005年1月

失業給付期間を過ぎた後に支給されていた「失業扶助」と生活保護に相当する「社会扶助」を「失業給付II」に一本化・統合する「ハルツ第IV法」(労働市場改革プログラムの一部)の2005年1月施行を前に、施行直後の失業率上昇を指摘する声が出ている。これまでの制度では失業給付期間を終えた長期失業者は期間の制限のない「失業扶助」を受給することができ、一方で「社会扶助」は「失業扶助」とは別個に存在していた。新制度では、就業能力があり資産査定をパスした人が失業給付IIの受給資格を得る(資産が少なく就業できない人には「社会給付」制度が設けられる)。これまで社会扶助を受給していたかなりの部分が失業給付IIに移行し、新たに失業者にカウントされる可能性がある。

BA(連邦雇用機関)のヴァイゼ長官は、失業給付II受給を申請する社会扶助受給者の数を「40万人くらいまで」と見積もっているが、そのうちどの程度が登録されるかには言及していない。IAB(ドイツ雇用市場研究所)によると、施行直後の1月のデータ(2月初旬に発表される)では30万人程度の失業者増が予想される。ドイツの最近の雇用情勢は、失業が高水準で推移しており、04年11月の約426万人(失業率10.3%、対前年同月比約6万人増)にのぼる失業者数は、11月の数字としては1997年の約432万人に次ぐレベル(東西統一の91年以降二番目)。冬の1~2月には、建設業などで寒冷な気候による求人減少があるため、発表される失業者数の水準に関心が集まっている。

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