欧州理事会/男女均等指令、労働時間指令の改正などについて討議

カテゴリー:労働法・働くルール労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2005年1月

12月の欧州理事会は、欧州議会の意見表明待ちの状態ながら、男女均等に関する7つの指令を1つにまとめた新たな指令を作成することについて一般的な合意に達した。統合される指令は、1)男女同一賃金指令(75/117/EEC)、2)男女均等待遇指令(76/207/EEC、改正後2002/73/EC)、3)職域社会保障制度における男女均等待遇指令(86/378/EEC、改正後96/97/EC)、4)性に基づく差別事件における挙証責任に関する指令(98/80/EC、改正後98/52/EC)である。

また、欧州委員会が9月に提案した労働時間指令の改正案について、10月、11月の理事会に続いて討議を行ったが、週48時間労働制の適用除外に関する意見が大きく分かれ、合意に達することができなかった。フランス、ベルギー、スペイン、スウェーデン、ギリシャなどが適用除外条項の廃止を支持しているのに対し、アイルランド、イギリス及び新規加盟国のいくつかが、本人同意に基づく適用除外の維持を主張している。欧州委員会の改正案は、労働協約による適用除外、及び労働協約の適用を受けない労働者については本人同意に基づく適用除外を盛り込んでいる。

欧州理事会は、欧州議会代表による委員会に対し、改正案に関する検討を続けるよう要請した。欧州委員会のヴラジミール・シュビドラ雇用・社会問題担当委員は、ルクセンブルグが議長国を勤める2005年1月から6月までの間に、この問題が政治的合意に達するよう希望する旨を表明した。

リスボン戦略に対応した2006年から2010年までの新たな社会政策アジェンダに関しては、1)活性化(activation):就業率を向上させるためのより多くの良質な雇用、よりダイナミックで包括的な労働市場、2)約束(commitment):全ての関係者による誓約、3)教育訓練(training):技能・生産性向上のための人的資源への投資、4)包含(inclusion):最も弱い社会的グループの包含、4)労働組織(organisation of work):企業と労働者の適用能力の向上、5)差別の排除(non-discrimination):生活全般及び仕事やサービスへのアクセスに関するすべての人々の機会均等――など、A-C-T-I-O-Nと称される6つの優先的行動分野を確認した。

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