台湾でタイ人労働者の需要が高まる
1990年代後半からタイ人の出稼ぎ労働者受入先として最大の受入数を保つ台湾において、同国の経済回復から更に5万人のタイ人労働者への需要があることが明らかとなった。
タイと台湾の出稼ぎのつながり
タイの海外出稼ぎの歴史は、1970年代の中東行きから始まった。80年代から湾岸戦争の開始までは、サウジアラビアへの出稼ぎが最も顕著であった。しかし、湾岸戦争後その流れが変わり、労働者は地理的にも近く、同じアジア圏内の台湾への出稼ぎが主流となっていった(台湾では1989年から外国人労働者の受け入れを開始した)。
タイ人は台湾において、主に建設業や工場労働者などの単純労働者として働き、多くが2年間の雇用契約を結んでいる。
しかし、1997年のアジア経済危機以降、台湾国内の失業問題や台湾の高官とタイ政府との関係が微妙なものとなったため、タイからの労働移動は減少傾向を見せていた。
そのような中、台湾現地紙UnitedDairyNewsが報じたところによると、現在国内失業問題の悪化が懸念されている一方で、タイ人への労働需要が高まっているという。同紙によると、現在の台湾の失業率は2004年5月の4.41%から、6月は4.54%に上昇。失業率が最悪だった2002年の5.17%に比べれば、経済は回復してきていると判断できるが、それでも同国の労働団体は、このタイ人労働者の受入れに懸念の表情を見せている。
台湾も他国と同様、失業率が高まっている状況においても、労働者はいわゆる3K(染色業、メイド、船員、ケアワーカーなど)労働には従事したがらない傾向があり、労働者の不足によって台湾企業は中国本土への工場移転などを余儀なくされているケースもあるという。
2004年4月末のデータでは、台湾全土の製造業従事者の55%、約29万8000人は外国人労働者で、タイ人、フィリピン人、インドネシア人、ベトナム人が労働に従事している。
2004年9月 タイの記事一覧
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