組合の「労働党離れ」加速
これまで英国の多くの労組は、選挙支援、政治献金等を通じて労働党を支持してきた。しかしブレア政権が二期目に入り、公共サービスの民営化を最重点課題に掲げた2001年以降、労働党と組合の溝は深まるばかりで、ここにきて政治献金の取り止めあるいは労働党への団体加盟を見直す組合が増えている。
先鞭を付けたのが消防隊組合(FBU)。FBUは、労働党に年額5万ポンドに及ぶ献金を労働党に送り続けてきたが、6月の年次大会でついに労働党からの脱退を可決し、初の任意脱退した初めての組合となった。これに都市一般労組(GMB)が続いた。来春の総選挙向けの追加資金援助を求める労働党からの政治献金要求(年額75万ポンド)に対して、今後は「目的と価値観を同じくする労働党の候補者個人に献金する」としてこれを拒否した。GMBのケヴィン・カラン書記長は、イラク派兵および公務部門のリストラについて言及し、ブレア首相が大幅に政策を転換しない限り、労働党との長い歴史に終止符と打つと述べた。この他、輸送一般労組(TGWU)も献金差し控えの手続きを開始するなど、労働党離れは加速している。
こうした中、7月12日に財務省が発表した中期歳出計画に10万4150人規模の公務部門リストラが盛り込まれている。これに対し、公務部門(UNISON)、アミカス、TGWU、GMBなど伝統的に労働党の支持基盤を構成してきた4組合の書記長はブレア政権の方向転換を求めるためのキャンペーンを開始する動きを見せている。総選挙を控えたブレア政権にとって困難な道のりが予想される。
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