外国人労働者の受け入れの動向

カテゴリー:外国人労働者

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  • 国別労働トピック:2004年7月

外国人労働者の受け入れをめぐるモンゴル政府と台湾の人材仲介機構との話し合いが決着したことで、6番目の受け入れ対象国であるモンゴルからの11人の介護労働者の第一陣が、人材仲介機構を通じて5月に到着した。行政院の議員レベルが、今年1月にモンゴルから介護労働者の受け入れを承認してから4ヶ月以上が経過した。1978年以来、台湾は、タイ、フィリピン、インドネシアとマレーシアの4カ国から外国人労働者受け入れてきた。モンゴルとベトナムは、この2年間に新たに受入対象国となったものである。外国人労働者の受け入れ対象国が拡大しているということは、外国人労働者受け入れ政策が、より市場志向となっていること、使用者にとってより有能な人材の確保を可能にしているということがいえる。

地方情報筋によると、11人のモンゴル人介護労働者は、教育レベルが高く、彼らのうちの10人は大学卒である。全員女性で平均年齢は30歳、看護婦資格を所持しており、何人かは中学校の教師か法律関係のスタッフであった。

モンゴルは、送り出し先国が日本、韓国、米国など8カ国であるが、7000人のモンゴル人は台湾への派遣登録を行っており、そのうち1000人は、中国語の訓練を既に受けている。在台湾のウランバートル貿易経済代表オフィスによると、第二陣は、6月に台湾に派遣される予定である。年間1万人台湾に送り出したい方針である。ニュース会議に参加したモンゴル人介護労働者のひとりは、「台湾で働いたお金を蓄え、モンゴルで家をたてたい」と語っていた。

モンゴルでの一人あたり国民所得がわずか450米ドルであるということ、平均月給が170米ドルであることから考えて、台湾では毎月600米ドルの月給となるので、モンゴルの若者が台湾で働きたいと希望する理由は明らかである。

台湾は、受け入れ国として東南アジア諸国から外国人労働者を受け入れてきたが、その数は年々増加しており、現在までに延べ32万人を受け入れてきた。

一方、外国人の受け入れが、市民の権利、国内の労働条件、経済発展に影響を及ぼすことが無いように、また、社会問題の原因とならないように、政府は4つの原則をうちたてた。しかし、高額な外国人労働者の受け入れ仲介料、外国人労働者の逃亡などの問題は解決されずに残っている。

1995年以来失業率は高まっていることから、外国人労働者政策は、縮減の方向に向かっている。台湾の外国人労働者の数は、3万人を超えないように管理されている。

労工処所管の雇用訓練局(EVTA)の統計調査によると、今回のモンゴルからの11人の介護労働者を除いて、2004年4月で29万8480人が登録されている。

内訳は以下のとおり。

  • タイ/10万1848人(34.12%)
  • フィリピン/8万4116人(28.18%)
  • ベトナム/6万5896人(22.08%)
  • インドネシア/4万6598人(15.61%)
  • マレイシア/22人(0.007%)

産業別内訳は以下のとおり。

  • 製造業/16万4177人(55.00%)
  • 介護業/11万6069人(38.89%)
  • 建設業/1万622人(3.56%)
  • 家事補助業/4141人(1.39%)
  • 船員/3471人(1.16%)

外国人労働者については、受け入れ対象国を拡大する政策をとっているが、今後は受け入れる人材の質について、受け入れ人数以前に検討することが必要である。

外国人労働者の拡大は、異なった文化的背景を持つ人々の受け入れを拡大することである。さまざまな国の労働者を円滑に受け入れるためには、政府が政策として国際経営システムを構築することが重要である。

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