労使関係委員会、アワード最低賃金引き上げを決定
オーストラリア労使関係委員会(AIRC)は、2004年5月5日に連邦最低賃金を週あたり19豪ドル引き上げる決定を行った。これにより連邦最低賃金は週467.40豪ドル(注1)となる。
最低賃金引き上げをめぐっては、オーストラリア労働組合評議会(ACTU)が26.60豪ドルの引き上げを求める申請を行い、これに対し使用者団体や連邦政府は10豪ドルの引き上げを支持していた。AIRCは、これら関係当事者の見解や経済状況・失業率の推移などを考慮し、アワードが適用されるすべての労働者を対象に週19豪ドルの賃金引き上げを認めた。これまでの決定では、AIRCは2層式の最賃引き上げや、上限設定などの方法をとってきたが、今回はすべてのアワード賃金率を週19豪ドル引き上げることとした。
決定に対する反応
今回の引き上げ幅は1997年以降最も大きいものであり、使用者団体は失業者が増加すると警告している。連邦政府も、今回の決定によりオーストラリアの最低賃金が世界で一二を争うほど高くなったと主張した。
これに対しACTUは今回の賃上げ幅が不十分であるとはしながらも、歓迎の意向を示している。今回の決定はおよそ160万人の低賃金労働者に影響を与えると伝えられており、特にホテルや保育施設で働く労働者、あるいはパートタイムや臨時で働く者にとって大きな意味をもたらすと予想されている。
注
- 1豪ドル=75.65円(※みずほ銀行ウェブサイト2004年7月2日現在)
2004年7月 オーストラリアの記事一覧
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