イタリアの児童労働

カテゴリー:労働法・働くルール

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  • 国別労働トピック:2004年6月

イタリアの児童労働は40万人に達している。CGIL(イタリア労働総同盟)の調査によると、こうした未成年者が就いている職種は、商業が57%、手工業が30%、建築業が11%である。これらの児童労働者の中には、移民の子も含まれており、また、3万から3万5000人が1人でイタリアに不法入国している。1日に4時間を越えて働いている者も7万人おり、うち4万人は8時間以上働いている。

イタリアの7歳から14歳の児童数は450万であるが、このうち170万人が貧困状態にあるといわれる。このうち、36-40万(8-9%)が児童労働に関わっている。ISTAT(国立統計局)の公式統計では、児童労働数は1万4400人(3.2%)である。

こうした約40万の児童のうち、家族を手伝っている者が50%、そのうち、32%が季節労働であり、17.5%(7万人)が継続的な労働に就いている。継続的な労働を行う児童の50%強に当たる約4万人が、月に200-500ユーロの報酬で1日に8時間以上働いている。これ以外の継続的児童労働者については、1日の労働時間が4時間未満の者が11%、4-7時間が23%である。ミラノ、ローマおよびナポリに関してIRES(CGILの経済社会研究機関)が実施した調査によると、846,640名の未成年者のうち何らかの労働を行っている者は2万6000名であった。うち、13歳以下が3.7%、14歳が11.6%である。

CGIL委員長グリエルモ・エピファーニによると、イタリアの児童労働は、「疎外され困窮した地域の増加、とくに移民に関する非正規労働および不法労働の増加、ならびに、増加傾向にある学業の分散および中断」の3つの理由により「拡大する運命にある」。こうした理由のうち学業の中断に関して、IRESは、子を学校に通わせる義務を守らない者が、自由刑に処されず経済刑ですむという現行法の規制の影響について触れている。IRES所長アゴスティーノ・メガーレは、「1999年までの6万7000リラ、2001年には再評価されたがそれでも最大25万リラという罰金は、問題を解決しえるようなものではない。」と断言する。また、近年の教育改革で、「義務教育の期間引き上げられたが、子どもたちに修業を許さない親に対する罰則の強化や、困窮状態にある家族の支援は定められなかった。CGILは問題解決のための15の提案をしているが、「児童労働問題に対処するために必要な投資は、PILの1%に相当する」と述べている。

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