スウェーデン失業保険局(IAF)創設
労働市場庁、職業安定所、失業保険基金を監督するスウェーデン失業保険局(IAF)が2004年1月に創設された。失業者が速やかに就職できるように、各種サービスが適切に提供されているか監督する。失業保険の受給資格認定が厳しくなり、失業保険の受給開始から100日後に、求職対象の職種と地域の双方を拡大して職探しをしなければならない。しかし、受給資格認定厳格化は失業期間の短縮化に効果を上げていない。もしも全ての求職者の失業手当受給をそれぞれ一日短縮できれば3億クローネを節約できる。
IAFは、労働組合が運営する全国38の失業保険基金が、失業保険を公正、適切に運営するように監督する。従来は、労働市場政策や失業保険基金への財政支援を行う労働市場庁が失業保険基金を監督していた。失業保険基金には380万人の加入者がおり、2003年には、その14%にあたる約50万人が短期あるいは長期間、失業保険を受給した。加入者一人あたりの自己負担は年1045クローネで、組合費の一部である。しかし、労働組合に加入しなくても失業保険基金に加入することができ、約10万人が非労働組合員の基金加入者である。2003年には、合計230億クローネが失業手当として支払われた。 失業手当は、失業期間の最初の100日間は従前給与の8割又は1日730クローネ(101日目からは1日680クローネ)である。2002年の失業手当の平均は569クローネであった。
IAFは、各労働者の失業手当受給資格に関する情報を労働市場庁が適切に提供しているか監督する。労働市場庁は、公的職業紹介サービスを通して、失業者の失業手当受給資格に関する情報を蓄積し、失業保険基金に情報提供する義務を負っている。
IAFは、失業保険に関する裁判において、政府を代表する。IAFにとって重要な役割の一つは、国内外の法律やその運用について調査し、失業保険制度に必要な改革を提案するというものである。また、IAF法務部は失業保険について法律を補完する通達を出す。
IAFが雇用する60人の大部分はそれまで労働市場庁の職員として働いていた人々である。
2004年5月 スウェーデンの記事一覧
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