「失業者の組合員資格を初めて認める」最高裁の判決

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  • 国別労働トピック:2004年5月

最高裁3部は3月2日、ソウル女性労働組合が「組合員の資格範囲に求職中の者を含めたことを理由に組合設立を許可しないのは不当である」として、ソウル市を相手に起こした「労働組合設立申告書受理拒否処分取消請求訴訟」で、原告勝訴の原審を確定する判決を下した。判決の要旨は次の通りである。つまり、「一時的に失業状態にある者や求職中の者も労働組合法に定められている“労働者”に当たる。“労働者ではない者”を組合員とする場合、労働組合として認められない”と定めた労働組合法条項は企業内労組にのみ適用されるべきであり、地域別労組である原告が“求職中の女性労働者”を組合員に含めたからといって、労組の設立を拒否することはできない」というものである。

「失業者の組合員資格」を認める案は1998年2月の「通貨危機克服のための社会協約」に初めて盛り込まれ、その後関連法案が国会に提出されたが、いまなお審議中の状態にある。そして現在労使政委員会で議論されている「労使関係関連法制改革案」にも「企業の枠を超えて失業者の組合員資格」を認める案が盛り込まれているが、経営側がそれに強く反発しているため、話し合いは難航しているのが現状である。

今回の判決は地域別労組に限定されているとはいえ、「失業者の組合員資格」を初めて認めたことで、それをめぐる政労使の議論に一つの法的根拠を示したことになる。この判決を踏まえて、どこまで失業者の組合員資格を認めるかをめぐって本格的な議論が展開されることが期待されている。

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