中小企業の訓練参加者が増加

カテゴリー:人材育成・職業能力開発

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  • 国別労働トピック:2004年3月

全国労働組合会議(NTUC)の技能訓練プログラムに参加する労働者の半数以上が中小企業従業員であることが、NTUCの調査で分かった。一般に中小企業は従業員を職業訓練に参加させる余裕がないとみられてきただけに、関係者らは今回の調査結果に関心を寄せている。

例えば、2002年に技能再開発プログラム(SRP)に参加した3万3000人のうち約半数(52.4%)が中小企業従業員だった。NTUCによると、この割合はシンガポールにおける中小企業従業員の割合(48.0%)に相当する。

通常、中小企業従業員は大企業従業員と比べて、訓練の参加費用をまかなえなかったり、従業員数が少ないために訓練参加者の代替要員を確保できない、などの理由から、訓練に参加しにくい環境にある。こうした一般的傾向に反して、SRPへ参加する中小企業参加者の割合が高かったのは、

  1. 参加費を支払えない企業に資金援助する、
  2. 訓練中の従業員の賃金を一部肩代わりする(時給6.1~6.9Sドル)、
  3. 訓練施設までの移動時間を省くために訓練を職場で実施する―

などの制度を備えているためである。

SRPは、企業が労働者の技能向上に努力することを奨励するため、全国労働組合会議(NTUC)、経済開発庁(EDB)、生産性基準庁(PSB)および技術教育機構(ITE)の協力により1996年12月に開設された。主な対象は中高年労働者、低学歴労働者、未熟練労働者、解雇労働者などである。

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