第3四半期成長率、予想を上回る5.1%

カテゴリー:労働条件・就業環境統計

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  • 国別労働トピック:2004年2月

中央銀行バンク・ネガラは2003年11月19日、2003年第3四半期の国内総生産(GDP)の実質成長率は5.1%と発表した。前四半期の4.5%からの上昇で、政府の予測を上回った。輸出が好調な製造業と観光業の回復に支えられた。

企業の設備投資を含む民間消費は5.4%成長で、特に製造業の成長率は8.5%と4-6月の6.5%から大きく伸びた。サービス業も前期の2.9%から4.2%、建設業も1.4%から2.4%へ伸びた一方、鉱業は-0.7%と落ち込んだ。全体の固定資産形成は3.2%伸びた。

公共投資を含む公共消費が-1.6%となったことから、第3四半期の成長率の伸びは政府が期待していた民間主導型で達成した形となった。

中央銀行は、安定した労働市場と低金利の影響で個人消費も堅調だったとしているが、データにはその伸びを示す資料は含まれていなかった。マレーシア経済研究所(MIER)によると、消費意欲を示す消費者心理指数が第3四半期に5.9%に伸びたが、自動車販売が低迷するなど、耐久財消費は軟調だったとみられている。

ゼティ総裁は、第3四半期の伸び率が堅調だったことを受け、通年のGDP成長目標である4.5%は十分達成できるとの見通しを示した。

一方、今回の発表に先立ち、アブドラ首相は11月10日、上院で予算演説を行い、2004年の実質国内総生産(GDP)成長率は5.5-6.0%になるとの見通しを示した。2004年度予算案の実行と世界経済の好転に伴い、2003年の年間成長率見通しである4.5%を上回ると述べた。同首相はまた、2003年下半期の成長率について、イラク戦争や新型肺炎(SARS)の影響を受けた上半期を上回ると予想した。

9月の製造業売上高、10.9%成長

また、統計局が2003年11月18日に発表した9月の製造業売上高(速報値)は、305億1000万リンギと前年同月比で10.9%増加した。17.3%増を記録した2003年2月以降では最高の伸びとなった。米国経済と日本経済が回復するのに伴い、マレーシア製造業の好調は続くと予測している。

製造業の好調ぶりは賃金にも表れており、8月の賃金総額は前月比2.8%増。賃金総額はボーナスが支払われる年末に上昇するのが一般的で、8月に2.8%も増えるのは異例。関係者は、生産力が上がったことに伴って賃金総額も増加したとみている。

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