CFDT:輸送・設備総連盟の脱退で危機的状況へ

カテゴリー:労使関係

フランスの記事一覧

  • 国別労働トピック:2004年2月

11月6日に輸送・設備総連盟(FGTE)の過半数の組合員が脱退を決めたことにより、民主労働同盟(CFDT)の危機は新たな段階に入ることになった。パリで総会を開いたFGTE組合員の多くは労働総同盟(CGT)へ、一部はSUD(連帯・統一・民主)鉄道部へ加わることを決めた。この新たな脱退により、フランソワ・シェレック書記長が率いる労働団体は、5月に打ち出した退職年金改革案支持の影響をまだ引きずることになる。現在の混乱と危機の規模はこの団体が過去に経験したものをはるかにしのいでいる。

1995年秋に、当時のジュペ首相が提案した社会保障制度改革案の支持を決めた後、CFDTは数千人の脱退者を出し、そのうちの一部がSUD鉄道部を結成した。今回の動きを正確に推し量るのは難しいが、脱退者が数万人に上る可能性もある。シェレック書記長やジャッキー・ボンタン副書記長(内部問題担当)は脱退者の数を6000~8000人と述べているが、反主流派によれば、2004年までに5万人から7万人に達する可能性もあるという。

「指導部が引き合いに出す数字は滑稽だ」と揶揄するのはFGTEを率いていたクロード・ドゥドン前書記長である。「地震の規模は1995年に経験したどころではない」そうだ。一部では10万人という数字もささやかれている。そうなると、公称組合員数90万人の1割を上回ることになる。

ボンタン副書記長も、「すでに25組合が脱退総会を開催した」と認めているが、「脱退者の状況もかなり混乱しているので、まだ正確に理解することは難しい」という。例えば、「熟慮の後に、CFDTに残りたいと思い直す者も少なからずいるので、反主流派が示している数字は下方に修正される可能性もある」ようだ。

FGTEの場合、設備組合(5000人程度)の過半数はCFDTにとどまることを望んでいるが、30%の組合員は統一組合連盟(FSU)へ加盟する模様だ。航空輸送組合の大多数は自重するものの、民間部門や民間航空部門では脱退者が出る可能性もある。小規模なリフト組合はCGTへ加盟する。また、FGTEで重要な位置を占める道路輸送部門(組合員2万2000人)では、一部の組合(オーベルニュ、ペイ・ド・ラ・ロワール、バス・ノルマンディー)が脱退を選択する。

CFDTでは、集団的な脱退のほかに個人による脱会も続いている。しかし、指導部によれば減少した組合員数は新規加盟者で相殺されているという。いずれにせよ、CFDTを揺るがしている危機の大きさを正確に知るには、2004年まで待たなければならないだろう。

ボンタン副書記長は、CFDTにとって今が試練の時期だと認めている。退職年金改革問題の後も、政府はその政策によって、あるいは政策不在によって、迷走を続けている。2002年5月のナント大会では、シェレック新書記長が楽観的な見通しを語ったが、現在の状況は大違いだ。このままでは、目標としている組合員数120万人の達成も簡単ではあるまい。

関連情報