2003年の女性の賃金上昇率、男性を上回る3.9%
スウェーデン労働組合総連合(LO)の今年の賃金報告書によると、2003年の女性の平均賃金上昇率は3.9%であり、男性の3.3%を上回って過去10年間で最高の伸びを示した。女性で最も上昇率が高いのは、民間部門のホワイトカラーと公務部門のブルーカラーであり、それぞれ3.8%と3.9%と、初めてほとんど格差が認められなかった。
1994年以来、ブルーカラー労働者の賃金は40%(5100スウェーデン・クローネ(SEK)(注1))上昇し、ホワイトカラー労働者の賃金は47%(8200 SEK)上昇した。2003年の全労働者の平均月例賃金は、全体2万2200 SEK、ブルーカラー1万8100 SEK、ホワイトカラー2万5700 SEKであった。賃金は、民間部門が公務部門より15%高くなっている。
ブルーカラー | ホワイトカラー | 全体 | |
---|---|---|---|
全体 | 18,100 | 25,700 | 22,200 |
民間部門 | 18,800 | 27,000 | 23,100 |
公務部門 | 16,400 | 23,400 | 20,000 |
平均月例賃金は、全体で2万SEK、男性2万4300SEKであった。女性の平均月例賃金は男性の84%であり、2003年の女性の賃金上昇率は男性の3.3%を上回る3.9%であった。
しかし、全産業における男女の平均賃金は、人口の違いや職種によって賃金が大きく異なることから、男女間格差に関する間違った認識を与えやすい。職種別の中位賃金には、同一職種内の賃金格差が非常に少ない場合でも、男女間に大きな格差が見られる。
職種別標準加重によって賃金格差を推計すると、男女間格差はより小さくなる。男性の賃金に占める女性の賃金の割合は、全体で84%から92%に上昇し、ブルーカラー労働者については95%、ホワイトカラー労働者については91%となる。女性の比率が高い産業においては、賃金が顕著に低くなる。
職種 | 平均月例賃金(SEK) |
---|---|
製造業(ホワイトカラー) | 29,200 |
民間サービス業(ホワイトカラー) | 26,400 |
建設業(ホワイトカラー) | 26,100 |
県政府(病院、ホワイトカラー) | 25,200 |
中央政府(ホワイトカラー) | 25,000 |
建設業(ブルーカラー) | 21,900 |
地方政府(ホワイトカラー) | 21,800 |
製造業(ブルーカラー) | 18,900 |
中央政府(ブルーカラー) | 18,800 |
民間サービス業(ブルーカラー) | 17,800 |
県政府(ブルーカラー) | 16,900 |
地方政府(ブルーカラー) | 16,100 |
職種 | 賃上げ額(SEK) |
---|---|
製造業(ホワイトカラー) | 1,110 |
県政府(ホワイトカラー) | 1,010 |
建設業(ホワイトカラー) | 970 |
民間サービス業(ホワイトカラー) | 870 |
地方政府(ホワイトカラー) | 780 |
中央政府(ホワイトカラー) | 780 |
県政府(ブルーカラー) | 700 |
民間サービス業(ブルーカラー) | 700 |
建設業(ブルーカラー) | 630 |
中央政府(ブルーカラー) | 580 |
地方政府(ブルーカラー) | 580 |
製造業(ブルーカラー) | 530 |
2003年7月~2004年7月の平均賃金上昇率は、民間部門のブルーカラー労働者が2.9%、ホワイトカラー労働者が2.7%であった。
公務部門の平均賃金上昇率は、中央政府サービス4.2%、地方政府4.0%、県政府(女性が大多数を占める病院)4.4%であった。
注
- 1スウェーデンクローネ=15.37円(※みずほ銀行ウェブサイト2004年11月30日現在)
2004年12月 スウェーデンの記事一覧
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