9月の失業率、3年ぶりの低水準
人材開発省(MOM)によると、9月の失業率(速報値、季節調整済み)は3.4%となり、3年ぶりの低水準となった。これは市場予測の期待を上回る回復であり、6月時点の4.5%から大きく改善した。背景には力強い経済回復があり、雇用創出に貢献したものとみられる。
本情報「WEB版海外労働情報シンガポール11月」で報じた通り、大手人材コンサルティング会社の予測によると、失業率が4%に改善するのは早くても来年に入ってからという見通しであった。今回の数値は速報値ながらこれを上回る改善。結果的にアジア経済危機から回復した1999年と同水準に戻ったことになる。
内容を見ると新規卒業者の求職者が多かった4~6月期に比べ、7~9月期はほとんどの新卒者が就職したことが、失業率改善に貢献したものと思われる。また学校の長期休暇が終わり、短期の仕事を探す学生が減少したことも背景にある。
シンガポール人の失業率は3.9%で、こちらも6月末の数値(5.0%)から回復した。9月末時点の失業者数は推定で6万2200人。6月末時点では同10万3000人となっていた。
7~9月期の解雇者数は全体で1700人となり、5カ月連続の減少。前期は2055人だった。
業種別に見ると、製造関連業は800人、サービス業は900人とそれぞれ前期に比べ改善した。
7~9月期の新規就職者数は順調な経済回復を受け、1万6600人と3年半ぶりに高い数値を示した。前期は1万900人、新型肺炎SARSの打撃を受けた前年同期はわずか900人だった。
業種別では、製造関連業が7200人と前期の2900人から2.5倍増を記録。建設が1800人減と足を引っ張ったものの、8800人増と好調だった製造業が相殺した。製造業の前年同期は2100人減だった。サービス業は9400人で5カ月連続の増加。前年同期の3000人からは3倍増となった。
9月末時点での総就業者数は217万6400人となり、過去2年で最も高い数値となった前期の215万9300人を上回った。1日付ストレーツ・タイムズによると、求職者はあまり選り好みせず職を選ぶようになっており、幅広い業種で企業の雇用活動が活発化しているという。
関連情報
- 海外労働情報 > 国別労働トピック:掲載年月からさがす > 2004年 > 12月
- 海外労働情報 > 国別労働トピック:国別にさがす > その他の国 > シンガポールの記事一覧
- 海外労働情報 > 国別労働トピック:カテゴリー別にさがす > 雇用・失業問題、統計
- 海外労働情報 > 国別基礎情報 > その他の国 > シンガポール
- 海外労働情報 > 諸外国に関する報告書:国別にさがす > シンガポール
- 海外労働情報 > 海外リンク:国別にさがす > シンガポール