デンマーク最大産別「3F」の誕生

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  • 国別労働トピック:2004年12月

一般労働者組合(SiD、組合員数約31万5000人)と女性労働者組合(KAD、組合員数約8万5000人)は、2004年9月24日に開催した合同大会において、2005年1月1日に合併することを決定した。同大会には、両組合の代表1250人が出席した。新組合は、頭文字を取って「3F」(正式英文名称は未発表)と呼ばれ、デンマーク最大の単一労働組合となる。

これに先立つ2004年5月から6月にかけて行われた両組合の投票において、執行部が提案した合併案が圧倒的賛成多数で可決された。両組合は、主に未熟練労働者を組織し、デンマーク労働総同盟(LO、組合員数約150万人)に加盟している。

一般労働者組合の会長は、9月に開催された同労組の最後の大会において、将来LOに加盟する産別の数は現在の19から10以下に減少するだろうと述べた。実際、レストラン従業員組合(RBF)、食品・関連産業労働者組合(NNF)及び木材・産業建設組合(TIB)に対し、2005年に3Fと合併するよう働きかけが行われている。木材・産業建設組合は、一般労働者組合と女性労働者組合との合併交渉に初期の段階で参加していたが、後に離脱した経緯がある。その理由は、新たに結成される産別が未熟練労働者を中心とした組合であり、合併により木材・産業建設労組としての職業的特性を失うことを危惧する組合員が多かったためである。

3Fは、手始めの活動の一つとして、補助的失業保険を運営する可能性を検討している。一般労働者組合は、当初これに反対していた。3Fは、仕事のグローバル化に対抗する手段として、機会均等、生涯教育を重要視している。新組合は、その規模に見合う政治的影響力を行使するであろうと予想されている。

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