バローゾ時期欧州委員長が新欧州委員会の閣僚名簿を発表

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  • 国別労働トピック:2004年10月

8月12日、バローゾ次期欧州委員長は、11月1日に発足する次期欧州委員会の閣僚名簿を発表した。新雇用・社会問題担当委員には、元チェコ首相でチェコ労働社会問題相の経歴も有するヴラジミール・シュビドラ氏が任命された。

シュビドラ氏は、雇用・社会問題に加えて、機会均等問題も担当し、機会均等に関する委員会の座長も勤める。これはEUにおける機会均等政策の推進に強い意欲を示すバローゾ新欧州委員長の意向による。

新欧州委員会は11月1日の発足前に、委員会全体として、欧州議会の承認を受ける必要があり、9月27日から2週間議会において個別委員の聴聞が予定されている。議会の承認後、新委員会は、新5カ年計画の策定に着手する。

バローゾ新委員長は、新欧州委員会の優先課題の一つは、欧州を世界で最も競争力のある経済にするため、2000年春に策定されたリスボン戦略の着実な履行であると強調しており、リスボン戦略のフォローアップを行う委員会の座長を務める予定となっている。

リスボン戦略は、2010年までにEUの雇用率を全体70%、女性60%、高齢者50%にそれぞれ引き上げる目標を掲げている。また2005年までに雇用率をEU全体67%、女性57%に引き上げる中間目標も打ち出している。

欧州委員会は、2004年1月、リスボン戦略と連携した欧州雇用戦略の進捗状況に関する報告書を取りまとめた。この中でEUは、いくつかの国が既に70%以上の雇用率を達成しているにもかかわらず、EU全体では2005年までに雇用率の中間目標67%を達成できない可能性があるとされた。しかし、女性の雇用率の中間目標57%は、達成できる見込みである。高齢者については、2010年の雇用率目標50%の達成が非常に危ぶまれている。

新欧州委員会が推進する経済・社会政策は、雇用促進や社会統合の問題に焦点を当て、若年者雇用の促進、高齢者の就業継続・労働市場への再参入の促進、生活保護を受けている人々の就労促進等の政策を推進していくものと見られている。

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