労働者の海外派遣者数、予測を上回る

カテゴリー:外国人労働者

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  • 国別労働トピック:2004年1月

2003年の海外派遣者数が1~10月の期間で6万7000人に達し、政府の年間総予想の5万人を上回った。今後も増加が予想されることから、技術能力、外国語知識、労働規律、相手国の習慣についての訓練が必要とされている。

主たる派遣先国は、マレーシア、ラオス、台湾、韓国、米国、日本である。海外派遣の仲介事業を行うには、労働・傷病兵社会問題省(MoLISA)による認可が必要とされており、国営のほか、ベトナム商工会議所(VCCI)、ベトナム労働総同盟(VGCL)、ベトナム女性連合(VWU)といった団体によって仲介業者が運営されている。

海外派遣された労働者のなかには契約を破棄して脱走する者が多く、脱走率は、韓国で59.25%、日本27.09%、台湾7%となっている。特に、台湾では契約破棄・脱走に対する有効策がないことから、ベトナム人労働者の受け入れの一時停止の可能性もある。

これを受けて、主管部局である労働傷病兵社会問題省海外労働管理局は仲介事業者に対する監視を強化しており、派遣労働者の選抜・訓練を地元行政機関と共同で実施すること、親族に海外派遣中に逃亡し、現地で不法就労を続けている者がいる場合には選抜しないこと、不法就労を続ける労働者を早期に返還させる策を講ずることを求める文書を出した。また脱走率が3%を超えた企業の派遣活動を停止する案も検討されている。

また、能力評価制度が整備されていないため、派遣された労働者の質や語学力の低さがしばしば問題となる。例えば英語の場合、小さな語学学校が発行する証明書をもって派遣されるため、実際はマニュアルに書かれた作業内容が理解できないという事態が生じている。

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