収入の低下続く(1996年以来)

カテゴリー:労働条件・就業環境統計

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  • 国別労働トピック:2004年1月

ブラジル地理統計資料院(IBGE)は、2002年に行った全国12万7,000世帯標本抽出調査結果を10月12日に発表した。それによると10歳以上の就労人口は2002年に7,820万人となり、前年比で3.6%増加し、平均収入は2.5%低下した。平均収入が最高に達した1996年に比べると、平均収入は12.3%低下している。収入の男女差は次第に縮まり、2002年に女性の平均収入は男性の70.2%に達した。

表:年度別10歳以上の就労人口の平均収入(月収)と性別収入の差
(単位:レアル、1ドル≒3レアル)
平均 男性 女性 男性に対する女性の差
1995年 706 816 511 62.6%
1996年 725 829 546 65.9%
1997年 717 819 538 65.7%
1998年 711 810 541 66.9%
1999年 661 746 516 69.1%
2001年 652 736 514 69.6%
2002年 636 719 505 70.2%

出所:ブラジル地理統計資料院(IBGE)

注:2000年は国勢調査のため、標本抽出調査は行っていない。

平均収入の低下は低額所得者の数を増加させており、近年は就労者の学力向上にもかかわらず収入は低下している。就労者の収入別の割合を最低給料の倍数で表し、1992年と2002年で比較すると、2002年において、最低給料の3倍(720レアル=約240ドル)以下の収入である就労者は、就労者全体の65.7%(92年63.2%)を占めた。このほかに収入のない就労者が11.7%いる。

最低給料の倍数 1倍以下 1~2倍 2~3倍 3~5倍 5~10倍 10~20倍 20倍以上 収入無し
1992年 30.7 22.3 10.2 9.4 6.8 2.3 0.8 15.8
2002年 27.1 26.3 12.3 10.0 7.2 2.9 1.3 11.7

出所:ブラジル地理統計資料院(IBGE)

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