(香港特別行政区)失業率、2期連続最悪更新

カテゴリー:雇用・失業問題統計

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  • 国別労働トピック:2003年11月

2003年8月19日発表の統計によると、香港の2003年5-7月期の失業率は8.7%で、前期の8.6%に引き続き、2期連続で最悪記録を更新した。

重症急性呼吸器症候群(SARS)は一段落したが、その労働市場への影響が本格的に表れて、4-6月期には失業率8.6%で、1981年の記録開始以来、最悪記録を更新し、失業者数も30万人だった。経済回復の兆しは見え始めているものの、かなりのエコノミストは、この傾向はさらに続き、5-7月期の失業率は8.8%を下らないと予測していたが、失業率は最悪を更新したとはいえ、8.7%にとどまり、予測を下回ることになった。失業者数は30万9000人で、前期比で9000人の増加にとどまり、不完全雇用率は前期の4.3%から4.2%に低下した。政府によると、失業者数は、小売業、洗濯業、貿易業で増加し、それがレストラン、企業サービス等の部門での減少を上回った。

政府筋やエコノミストは、失業率の上昇が予測を下回ったことに好感を示し、これは景気の回復傾向の表れで、失業も底をつき始めたと評価している。この景気回復傾向を示すものとして、7月の個人倒産件数が過去17カ月で最少だったこと、観光業が回復し、香港来訪の航空旅客数がほぼ平常に戻ったこと、不完全雇用率が低下していること等が挙げられている。不完全雇用率の低下については、一部エコノミストは、企業が景気の回復傾向を見て、手始めにパートタイマーを雇用し始めていることの表れと見られるとしている。

このほか一部エコノミストは、6月に中国政府と締結した経済貿易協力強化(CEPA)、中国本土観光客の規制の緩和、米国の景気回復も、今後香港経済・労働市場に積極的な影響をもたらすと予測している。

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