ACTU、デモやピケに関する指針を作成

カテゴリー:労使関係

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  • 国別労働トピック:2003年10月

オーストラリア労働組合評議会(ACTU)は2003年7月にデモやピケに関する全国的な指針を作成した。近年、労使紛争への介入・解決に関する労使関係委員会の権限が弱まるに従い、労使紛争は長期化し、使用者のなかにはロックアウトや法廷戦術などを使う者も出てきた。そうしたなかで労組幹部が労使紛争の最中に車をけったり、その所有者に唾を吐きかけている光景が撮影され、また別の労組幹部がピケラインのなかで起きた事故で裁判にかけられるなどの事件が発生した。そこでACTUはこうした動きに対抗するために、今回の指針を作成したのである。

指針の内容

指針によると、ピケやデモの実施に当たっては次の条件を満たすことが求められる。

  1. ピケやデモは労組の許可を受けた個人または委員会により調整・組織されなければならない
  2. 行動に当たっては明確かつ了解された計画に基づかねばならない
  3. 行動は平和的に、かつ暴力や脅迫、意図的な破壊といった行為は慎むこと
  4. 飲酒・酩酊は認めない
  5. ピケやデモに関する警察当局と労組との間の取り決めを守る
  6. この指針や行動計画の順守を確保するために組合代表等を選出する
  7. 警察と労働組合員との衝突などが第1に組合代表に通知されるよう警察当局との間で交渉を行う

などとされている。

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