労働規律違反への制裁措置、労働契約についての政令

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

カテゴリー:労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2003年9月

2002年4月に労働法が大幅に改正された。その運用上の細目は政令によって明らかにされてきた。

2003年4月2日の政令33/2003/ND-CPは、1995年7月6日の政令41/ND-CPを改正し、労働規律違反に対する制裁措置などについて定めている。この政令33号は、労働者が雇用主から制裁措置を受けることのない休暇取得理由として、怪我、火災、医療機関が認定した病気(親族の病気を含む)のほか、就業規則に明記された理由をあげている。政令33号は、労働規律違反に対する制裁措置として、企業が昇給延伸、配置転換を行う場合に、最長の制裁期間を従来の6カ月間から3カ月間に短縮している。今後は、6カ月間の制裁期間を課すことができるのは、横領、技術及び事業上の秘密の漏洩などに対する制裁に限られるとしている。

政令33号は、工業団地内の各企業は、就業規則を工業団地運営委員会に登録するように定める。工業団地運営委員会は、企業から就業規則申請を受けた後、10営業日以内に申請内容を検討しなければならない。10日以内に検討を終えることができない場合には、就業規則は受理されたものとみなされる。さらに、工業団地の運営委員会は、団地内の企業における雇用状況を調査し、報告する責任を負う。

2003年5月9日の政令44号は、1994年の政令198/ND-CP号にとってかわるもので、労働法の労働契約に関する条項の施行について定めている。

労働法27条によれば、労働契約は、a) 期間の定めのない契約、b) 期間の定めのある契約、c) 12カ月未満の季節労働又は特別の業務についての契約のいずれかの形態でなければならないとしている。このうち、a)は、双方が契約の有効期間又は終了時期を定めないものと定義され、b)は、双方が契約の有効期間又は終了時期を12カ月から36カ月の期間に定めるものと定義されている。

したがって、従来は、契約の有効期間又は終了時期が12カ月以上先で、終了期日が未定である場合にも期間の定めのない契約が結ばれていた。これに対し、政令44号は、期間の定めのない契約を締結することができるのは、36カ月以上の期間を持つ業務についてのみであると定めている。

さらに政令44号は、企業の統合、合併、分割、分離、経営権の移譲、企業財産の使用権の移譲により離職者が出た場合、新雇用主に離職手当を支払う責任があると定めている。

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