ACTU、労使関係委員会に仕事と家庭の両立に関するテストケースを提起表

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

カテゴリー:労使関係労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2003年9月

オーストラリア労働組合評議会(ACTU)は、2003年6月24日にファミリーフレンドリーな労働条件を求めるテストケースをオーストラリア労使関係委員会(AIRC)に提起した。

「Work and Family Test Case」と名付けられた請求では、1.フルタイム労働者に対し育児休業(あるいは出産休暇)取得後にパートタイム労働に転換する権利を付与する、2.働く親に対し、学校休業期間中の無給の特別休暇や病児介護休暇を取得する権利を与え、また始業・終業時刻の弾力化を申請する権利を認める、3.現行の12カ月間の無給育児休業期間を24カ月に延長する、4.臨時労働者に対しても同等の権利を認める、等が求められている。

今後、労使関係委員会は申請の内容を審査し、最終的な決定を行うことになる。

オーストラリア統計局の調査では、双方ともに働いている子供を持つカップルの割合は1981年に44%であったのが2000年には62%にまで上昇している。またオーストラリア家族研究所の推計によると、働く母親の4割が休暇を取得する権利を有しておらず、フルタイムで働く母親の6割がパートタイムで働くことを望んでいる。ACTUはこうした現状をふまえ、働く親に対し仕事と育児、学校教育のバランスをとるために多くの選択肢を提供する必要があると考え、今回の申請を行った。

ACTUの申請に対し、ハワード首相は現行制度において労働者が使用者との間でファミリーフレンドリーな取り決めを結ぶことができるとして、その必要性を否定した。またオーストラリア商業産業連盟(ACCI)は育児休業期間の延長には反対したものの、労働時間の弾力化には一定の理解を示した。

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