基礎情報:ベトナム(2017年)
1. 統計情報

1-1 実質GDP成長率

(単位:%)
2000年 2005年 2010年 2013年 2014年 2015年
6.8 7.5 6.4 5.4 6.0 6.7

出所:世界銀行World Development Indicators

ベトナム経済においてGDP(国内総生産)は一貫して増加傾向にあり、特に1988年以降は常に5%以上の成長率を持続している。1人当たりGDPも堅調に増加し、2014年には2000ドルを超える水準となった。2008~2011年には、経済過熱の反動から高インフレや労働市場の逼迫、貿易収支悪化等、マクロ経済面での混乱を招いたものの、2012年以降は安定成長で推移している。

1-2 総人口

(単位:千人)
1950年 1975年 2000年 2005年 2010年 2015年
24,810 48,030 77,631 82,392 86,933 91,704

出所:UN World Population Prospects及びベトナム統計局ウェブサイト

ベトナムの人口は2015年に約9170万人に達しており、ASEAN(東南アジア諸国連合)域内ではインドネシア、フィリピンに次いで第3位の人口規模である。人口構成において、性別では女性(4646万人)が男性(4525万人)より約120万人多く、地域別では農村部人口(6089万人)が都市部人口(3082万人)の約2倍である。ただしここ数年は農村部の人口増加率低下と都市部人口の急増が顕著である。

1-3 就業者数

(単位:千人)
2005年 2010年 2013年 2014年 2015年
42,775 49,049 52,208 52,745 52,840

出所:ベトナム統計局ウェブサイト

労働力人口は2015年で約5400万人である。労働力人口は一貫して増加しているものの、近年、女性及び農村部では若干頭打ちの傾向が見られる。また年齢階層別では50歳未満の階層で比率低下の傾向にある一方、50歳以上の階層で増加傾向にある。

労働力率は、70%台後半で推移している。項目別では、男性及び農村部はそれぞれ80%を超え、女性、あるいは都市部よりそれぞれ10ポイント程度高い数値で安定的に推移している。

就業者数は一貫して増加しており、2015年は約5284万人である。構成比率でみると、性別では若干男性(51.5%)が多く、地域別では農村部が約7割を占める。所有形態別では、国営部門で働く就業者割合(約10%)は漸減傾向にある一方、外資系部門(約4%)では増加傾向にある(ほかに「非国営部門」が86%)。雇用形態別では、1人事業主と賃金労働者がそれぞれ全体の約4割を占め、特に賃金労働者は増加傾向を示している。産業別では農林水産業が全体の約44%を占めているものの、近年減少傾向にある。一方、工業・建設業(22.8%)及びサービス業(33.2%)は増加傾向にある。学歴別構成では、全国的には専門技術を持たない就業者が約8割を占め、職業訓練校や専門学校を修了した者、短大・大学卒以上の者がそれぞれ約1割を占める。ただし全般的には専門技術を持たない就業者割合の減少傾向とともに、大学修了の就業者割合の増加傾向が顕著である。

注:ベトナムの労働力人口、就業者数は15歳以上を対象としている。

1-4 失業率

(単位:%)
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
2.88 2.22 1.96 2.18 2.10 2.33

出所:ベトナム統計局ウェブサイト

失業者数は2015年で約115万人、失業率は2.33%である。ここ数年、男女間で失業率に大きな差はないが、都市部と農村部の失業率の格差は顕著である。2015年の都市部の失業率は3.37%と、農村部(1.82%)より高い水準にある。年齢階層別では失業者数の約半数(49.7%)は若年労働者(15~24歳)によるものである。

注:ベトナムの失業率は男性15~59歳、女性15~54歳を対象としている。

1-5 若年者失業率(15歳~24歳)

(単位:%)
2012年 2013年 2014年 2015年
5.48 6.17 6.26 7.03

出所:ベトナム統計局『労働力調査報告書2015』

若年失業率の増加傾向は顕著であり、2015年は一般失業率の3倍を超える水準にある。特に都市部における若年失業率は2015年で11.94%であり、農村部(5.23%)の2倍以上となっている。男女間で大きな差はないが、若干女性(7.32%)の方が男性(6.79%)より高い。また年齢階層別では、20~24歳(7.6%)が15~19歳(5.8%)より高くなっている。

1-6 失業者に占める長期失業者の割合

(単位:%)
  2013年 2014年
6カ月以上1年未満 11.4 13.9
1年以上 13.1 14.4

出所:国際労働機関ウェブサイトILOSTATより算出

失業期間別で見た失業者の割合は6カ月未満が約4割、6カ月以上1年未満、1年以上がそれぞれ10%台前半である。(残りの約3割は期間識別不能である。)

1-7 パートタイム労働者の割合

ベトナムでは就業者全体に占めるパートタイム労働者の割合は、労働力調査では調査項目としていない。ただしフルタイム労働者のひとつの基準として「週35時間以上の労働」という条件が定められており、この点から「週35時間未満の労働」はパートタイム労働者の代理指標となりうる。

表:全就業者数に対する週当たり労働時間ごとの就業者数の割合
(単位:%)
週労働時間 2012年 2013年 2014年 2015年
30~34時間 4.9 6.0 6.2 4.7
20~29時間 6.8 7.9 8.6 7.4
10~19時間 3.2 3.9 4.5 3.3
1~9時間 0.2 0.9 1.1 0.8
11.9 18.7 20.4 16.2

出所:ベトナム統計局『労働力調査報告書2016』

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