基礎情報:フランス(1999年)
※このページは、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。
1. 一般項目
- 国名:
フランス共和国(フランス、ヨーロッパ) - 英文国名:
France Republic - 人口:
5870万6000人(1997年) - 面積:
54万3265平方キロメートル - 人口密度:
107人/平方キロメートル(1997年) - 首都名:
パリ(首都圏:951万3000人)パリ(中心地:219万7000人) - 言語:
フランス語 - 宗教:
カトリック、プロテスタント、イスラム教、ユダヤ教 - 政体:
議会制民主主義、大統領制
2. 経済概況
- 実質経済成長率:
+2.9%(1998年) +2.3%(1997年) - 通貨単位:
フラン→ユーロ 1フラン=17.17円(1999年10月) - GDP:
81億3700万フラン(1997年) - 1人当たりGDP:
138,841フラン - 消費者物価上昇率:
+1.1%(1997/98年) - 主要産業:
自動車、航空、造船、機械、電気通信、エレクトロニクス、薬品、化学、建設業、農業
3. 対日経済関係
- 対日主要輸入品目:
オートバイ、ディーゼルエンジン、ビデオカメラ、複写機など - 対日輸入額:
5401百万米ドル - 対日主要輸出品目:
アルコール、ワイン、核燃料、飛行機、芸術品、スルファミド(薬品)など - 対日輸出額:
6285百万米ドル - 日本の直接投資:
2130億円(1997年) - 日本の投資件数:
36件(1997年)(フランスの日本企業数:260社、雇用労働者数:26万94人) - 在留邦人数:
2万498人(1995年)(日本国内在留フランス人:4625人<1995年>)
出所:OECD, Economic Outlook、OECD, Main Economic Indicaters(Monthly)
[日本]大蔵省(財政金融月報、外国貿易概況)、外務省(海外在留法人数調査統計)
4. 労働市場
1. 労働市場の概況
フランスでは労働力人口の概念について1982年に採択されたBIL(ILO)の定義を採用しており、就業者(仕事を持っている者)と失業者の合計を意味する。
1960年代以降、ベビー・ブーム時代に生まれた世代が労働市場に流入したことにより、労働力人口は平均して毎年約20万人づつ増加している。労働市場の変化の最大の要因として、女性労働者の増加(1968年の労働力人口の35%と比べ、1997年は47%)と、若年者と高齢者の雇用の低下が挙げられる。1997年の労働力人口は2575万5400人であり(男性1410万人、女性1150万人)、2006年まで労働力人口は増加を続け2800万人になると予想されている。
1996年から労働者、管理職、幹部従業員の失業率は低下傾向にあるが、失業者の平均失業期間は長くなっており、1999年3月には、失業期間は平均16カ月で、41%の失業者は1年以上失業している。
2. 労働市場関連情報
- 労働力人口:
2575万5400人(1997年) - 雇用者数:
1955万4000人(1997年) - 非雇用者数:
287万6000人(1997年) - 給与所得者:
87.1%(労働力人口に対する割合)(1997年) - 失業率:
11.7%(男性10.2%、女性13.8%)(労働力人口をベースにした統計)(1998年) - 失業者数:
305万人(1998年)
15歳以上の職業別労働力人口(1997年)
- 労働者(工員など):693万9000人
- 従業員(事務員):748万7000人
- サービス業労働者:505万人
- 管理職と上級職:309万6000人
- 職人、商人、経営者:169万4000人
- 農民:73万2000人
- 企業数:
民間部門:合計230万社(1997年)。1997年には年間約30万社が設立された。
国営企業:1996年、政府は2346社を管理している。1993年から民営化が図られている。
5. 賃金
1. 賃金制度の概要
フランスには、毎年物価指数2%を再評価して上乗せし、労働者の時間当たり賃金率(TSH)の購買力利益の半分以下にならないSMIC(全産業一律最低保障賃金)がある。1985年5月から、月額SMICは、1週39時間を基準として計算している(1カ月169時間)。35労働時間法(労働時間の項参照)が可決されたが、SMIC受給者は月額保障を受け、給与が低下することはない。公務員も月額最低賃金は保障される。
現在(1999年9月)の最低賃金(SMIC)は1999年7月1日に改定されたものである。現行の時間率は40.72フランである(1998年7月1日—1999年7月30日40.22フラン)。1999年の最低賃金で重要なのは厳密に法律が適用され、(1)雇用者が世帯主である都市家計の消費者物価(たばこを除く)指数上昇率(1998年5月から1999年5月までの間にプラス0.4%)、(2)ブルーカラー労働者の基本月額賃金の購買力上昇率の2分の1(1998年5月から1999年5月までの間にプラス0.845%)、という基準に基づいて決定されたことにある。これまで毎年実施されてきた政府による「政治加算」は、週35時間制をめぐって労使が対立していることを配慮し、労働コストの上昇を避けるため、1999年は行われなかった。
1999年7月1日に定められたSMICの時間賃金率は、従業員21人以上の企業の法定週労働時間が35時間へ移行する2000年1月1日においても有効とされる予定である。この日になっても、SMICの時間賃金率は変わらないが、週35時間制に移行した、もしくはその後移行する企業でSMIC相当額を受け取っている労働者の月額所得の購買力を保障するために、「賃金の差額補完」のメカニズムが実施されることになる。
労働時間を週39時間から35時間へ短縮した企業の場合、この差額補完額は169時間(39時間ベース)に対して計算される月額SMIC(6881.68フラン)と151.66時間(35時間ベース)に対して計算される月額SMIC(6175.60フラン)との差額(706.08フラン)に等しい。
2. 賃金関連情報
- SMIC:
40.72フラン(1時間当たり賃金)(1999年) - 6882フラン(169時間当たり=月額)(1999年)
- 賃金上昇率:
+2.2%(労働者1時間当たり賃金)(1998年) - 平均賃金:
純月額平均賃金(社会保障料天引き後) - 民間部門:1万0685フラン(1996年)
- 公共部門:1万1830フラン(1996年)
純年間平均賃金(社会保障料天引き後)
- 民間部門:12万8220フラン(1996年)
- 公共部門:14万1970フラン(1996年)
- 時間給(全産業):113.4フラン(1998年)
税引後賃金: 月額平均
- 民間部門:1万685フラン(1996年)
- 公共部門:1万1630フラン(1996年)
年間平均
- 民間部門:12万7220フラン(1996年)
- 公共部門:14万1970フラン(1996年)
基礎情報:フランス(1999年)
- 1.一般項目、2.経済概況、3.対日経済関係、4.労働市場、5.賃金
- 続き(6.労働時間、7.労使関係、8.労働行政、9.労働法制、10.労働災害、11.その他の関連情報)
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- 基礎情報:フランス(2002年)/全文(PDF:774KB)
- 基礎情報:フランス(2001年)/全文(PDF:201KB)
- 基礎情報:フランス(1999年)
※2002年以前は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。
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